中国を旅すると1度は目にする市民の遊びで、
上海でも道端で多くの人が
この遊びに熱中していました。
この遊びのルールを知っていると、普段あまり交流のない 年配の中国人と仲良くなれるので、 中国に留学する人、仕事で赴任する人にはぜひ覚えて もらいたいゲームです。
☆中国象棋の用語☆
<九宮>
図の黄色の部分を「九宮」と言います。
後でも説明しますが、緑方の「将」・「士」、赤方の「帥」・「仕」は
この「九宮」から外へ移動することができません。
<河界>
赤方と緑方の陣地のちょうど境目の部分。
緑方の「卒」、赤方の「兵」はこの「河界」を越えて相手の陣地に入ると
移動方法が変わります。(ここらへんは将棋の「成り」に似てますね)
☆中国象棋のルール☆
緑方なら赤方の「帥」、赤方なら緑方の「将」を 相手より早く詰ますことで勝敗を決めます。
日本の将棋と違い、駒はますめに置くのではなく、
線と線の交わるところに置いていきます。
また相手の駒を取った場合、チェスと同じく盤面外に出るだけで使用できません。
取った駒を使えないので、日本の将棋以上に引き分けが多くなります。
☆駒の動かし方☆
●「将・帥」の動かし方と駒の取り方 この駒は大将で上下左右に1つずつ移動し、斜めには移動できません。
また移動できるのは「九宮」内の9つの点上だけで、
そこから外に出られないという制約があります。
また「将・帥」だけの特別ルールで、この2つの駒は間に他の駒がない状況で
同じ線上に向かい合ってはいけないことになっています。
図の場合、赤方の「帥」は緑方の「将」と向かい合ってしまうため、
左の青点に移動することができません。
それぞれの駒が移動できる場所にいる敵駒を取ることができます。
赤方と緑方と呼び名は違いますが、機能は同じです。
この駒は「将・帥」を守るための駒で、「九宮」内の斜め線上を1つずつ移動します。
斜め線上ならば前へも後ろへも行けますが、「将・帥」と同じく「九宮」から外へ
移動することはできません。
それぞれの駒が移動できる場所にいる敵駒を取ることができます。
この駒も「将・帥」を守るための駒で「田」の字の対角線を2つ跳ぶような形で
移動します。
ただ跳ぶ先の中間地点(「田」の字の中心)に駒がある場合はその先に移動することはできません。
図の場合、緑方の「象」は間に駒があるので黄色の点に跳ぶことができません。
また守りの駒なので「河界」を越えて敵陣に攻めていくことができないという制約があります。
それぞれの駒が移動できる場所にいる敵駒を取ることができます。
その駒が移動できる場所にいる敵駒を取ることができます。
図の場合、赤方の「車」は次の一手で緑方の「馬」か「卒」のどちらか一方を
取ることができます。
※ちなみにこの駒の発音は「ju」(1声)です。 「che」(1声)なんて読まないで下さいね(笑)
この駒は大砲という意味で、移動方法は「車」と全く同じです。
さえぎるものがなければ上下左右好きなだけ移動させることができますが、
敵駒の取り方が「車」とは違います。
「砲・炮」は敵駒を取る時、必ず何らかの駒を1つ飛び越えなければなりません。
(飛び越える駒は敵駒でも味方の駒でもかまいません)
図で緑方の「砲」は赤方の「兵」を取ることはできず、
その横にある青点までしか移動させることができません。
逆に赤方の「炮」は緑方の「馬」を飛び越えて「象」を取ることができます。
その駒が移動できる場所にいる敵駒を取ることができます。
図の上段右、赤方の「馬」は緑方の「馬」を取れますが、
緑方の「馬」は赤方の「馬」を取れません。
この駒は自陣にいる間、前方に1つしか移動できません。
しかし「河界」を越えて敵陣に入ると前方と左右の3方向に1つ移動できるようになります。
ただ、自陣にいる時も敵陣に入った後も後退はできないので、動かす時は注意しましょう。
その駒が移動できる場所にいる敵駒を取ることができます。
図の上段、赤方の「兵」は次の1手で緑方の「士」か「砲」のどちらか一方を取ることができます。
参考:言穆江・姜昕 『象棋入門一月通』 (2000年、上海文化出版社)
☆終わりに☆
ルールを聞いただけではピンとこないかもしれませんが、実際に遊んでみると
このゲームの奥深さに病みつきになると思います。
中国に行く機会があればみなさんもぜひトライしてみてください。
※中国将棋の基本的戦い方を知りたい方はこちらへ
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